泣き顔にサヨナラのキス


「……ただいま」


靴を脱いで部屋に上がる。


自分の部屋なのに、酷く居心地が悪かった。



「勝手に待ってて、ごめん。携帯に掛けたけど、電源切れてたみたいで……」


「電源を切っていたのは孝太でしょ?」


抑えて言ったつもりが、語尾が思いの外荒くなってしまった。


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