泣き顔にサヨナラのキス
 
 
振り向いて、孝太を見据える。


あまり寝ていないのか、孝太の顔色は悪く、疲れているみたいだった。


「どうして、山本さんに頼むの?」


「どうしてって……」


孝太は明らかに動揺していた。その様子が余計にあたしを苛立たせる。


「山本さんが孝太の事を好きだって分かるでしょ?

そして、あたしの事を良く想っていないことも。

それなのに、どういうつもりなの?」



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