泣き顔にサヨナラのキス
出て行こうとする孝太の背中に、抱きついて引き止めたかった。
それなのに、あたしは動くことが出来なかった。
孝太のあの瞳が、あの冷たい声が、あたしに拒絶を伝えたから。
「信じられなくて、ごめん」
一人きりの部屋でポツリと呟いた。
孝太があたしを裏切る訳が無いのに。
どうして、信じられなかったのだろう。
元カレに浮気されて、酷く傷ついたあたしの傍に居てくれた孝太。
その孝太が同じことをするはずがないのに。
あたしはバカだ……。