泣き顔にサヨナラのキス
     

「犬じゃないです。カナの寝顔はタヌキですから」


「タヌキか?まぁ、素でも似てない事はないけどさ」


「……もう見せません」


「は?」


「カナの寝顔は、もう誰にも見せませんから」


きっぱりと言い切った孝太は、あたしに視線を移した。



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