泣き顔にサヨナラのキス


テレビもつけずに、ぼんやり待っていたら、いつの間にか眠っていたみたいで。


テーブルの上で震える携帯に気が付いた時は、既に11時を過ぎていた。


「もしもし、孝太?」


『開けて』


「え、何?」


『今、部屋の前』


電話を切って、慌てて玄関まで走った。



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