向日葵の逝く先
 


「どんなビー玉?」

「ラムネに入ってるやつ」

「そうなんだ」


陸くんは理由を聞かない。

でも、夜にビー玉探してる女なんて変な奴だって思ってるんだろうなあ。


「陸くんはいつまでそこで寝てるの?」

「んー…」

「…ほんとに、どこか悪いの?」

「まさか」


陸くんは誤魔化すように軽く笑ったけど。


「嘘。だって汗すごいよ」



わたしの指摘に、
陸くんは押し黙った。


 
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