群青の月
いつの間にか、ホテルのベッドで眠ってしまっていたみたい。


瞼(マブタ)をゆっくりと開けたあたしは、きついピンクで統一された派手な部屋に不快感を覚え、ため息混じりに眉を寄せた。


枕元のデジタル時計に目を遣ると、午前1時を過ぎた所。


2時間近く眠っていた事に気付いて、重い頭を押さえながらダラダラと起き上がった。


バッグに入っているタバコの箱は、もうすぐ空になる。


どうやらあたしはヘビースモーカーみたいで、1日で一箱を吸い切ってしまう。


残り数本になったタバコのうちの一本を咥え、火を点けた。


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