群青の月
繁華街のネオンが街を明るく照らすから、今が夜中だって事を忘れてしまいそうになる。


ビルの隙間から淀んだ夜空は見えるのに、そこにあるはずの月はどこにも見えなくて…


当たり前に存在している月すらも見えないこの街は、やっぱり汚れているんだって思った。


ふと、ビルの屋上に視線を遣ると、暗闇に紛(マギ)れて人影が見えた。


……あんなとこで何してるの?


ただの清掃員なのかもしれない。


だけど…


あたしは何故かその人影の正体が無性に気になって、ビルの裏口を探し出して中に入った――…。


< 12 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop