群青の月
「暇だな……」


ポツリと呟いた俺を一瞥した柚葉が、ため息と一緒に煙を吐いた。


ゆっくりと天井に向かう紫煙(シエン)は、行く先を彷徨(サマヨ)うようにユラユラと揺れている。


「……別に」


柚葉は答えになっていないような言葉を口にした後、タバコを灰皿に押し付けてコーヒーを飲んだ。


目鼻立ちの整った横顔は、彼女の表情を憂(ウレ)いに見せる。


苦笑いを浮かべた俺は、ソファーに戻って腰掛けた。


「テレビでも観るか?」


そう訊くと、柚葉は何も言わずに俺を見た。


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