群青の月
柚葉がいなくなったからと言って、リビングが特別静かになる訳じゃない。


寡黙(カモク)な彼女はほとんど喋らないし、口を開いても一言で済ませてしまう事が多い。


だから、今の静けさは、さっきまでとほとんど何も変わらないはずなのに…


この雰囲気が孤独感を呼んで、虚しさを思い出させる。


今の自分(オレ)は、一人になるとロクな事を考えない。


そんな自分に呆れて眉を寄せ、タバコに手を伸ばす。


一口目を吸った後、ため息と煙を一緒に吐き出した。


それから、近くにあったリモコンを手に取ってテレビを点けた。


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