群青の月
柚葉が泊まる時は日付が変わる頃にベッドに入るのが、何となく暗黙(アンモク)の了解みたいになっている。


一人で眠るには少しだけ広く感じるベッドも、二人で入るとちょうどいいくらいだ。


たった数日で、柚葉と眠る事に慣れてしまった。


そのせいで、彼女が夜のうちに帰る日は、正直寂しさを感じてしまう事もある。


「……あんまり引っ付かないでよ」


「いや、だってさ……お前、抱き枕みたいで抱き心地がいいんだよ」


「安眠妨害……」


不服そうにため息をついた柚葉に、思わず喉の奥でクッと笑ってしまった。


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