群青の月
「離、して……」


あれ程会いたいと願っていた柚葉に、いつものような強気な表情は無くて…


そんな彼女をよく見ると、酷い顔色をしている。


「お前……どうした……?」


次に会った時に言いたいと思っていた事は微塵(ミジン)も出て来なくて、咄嗟に零したのは柚葉を案じる言葉だった。


「は、早く……離してよ……」


彼女の口調には、いつもみたいなぶっきらぼうな気怠(ケダル)さはどこにも含まれていなくて…


今にも倒れてしまうんじゃないかと思うくらい、本当に弱々しい声だった。


< 243 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop