群青の月

◇Side‥柚葉


【Side‥柚葉】



「ん……」


閉じた瞼に当たる光が眩しくて、眉をキュッとしかめる。


そっと目を開けると、ぼんやりとした視界の中に冬夜の顔があった。


その事に驚いて目を見開いた後すぐに、頭が一気に冴えた。


そんなあたしの様子を見ていた冬夜が、あたしの心の中を悟ったかのようにフワリと微笑む。


「おはよ。って言っても、もう昼過ぎなんだけどな……」


彼は苦笑しながらそう言った後、優しい表情であたしを見つめたまま続けた。


「顔色も悪くないし……。とりあえず、もう大丈夫そうだな」


< 272 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop