群青の月
再契約を結んだ時、出来るだけ何も求めないつもりで、何があってもそうするように努めようと強く思っていた。


そうしなければ、柚葉はもうここには来てくれなくなる気がして。


また、彼女に会えなくなる事が恐くて。


この関係を守る為に、出来るだけ干渉をしないと決めた。


だけど…


そんな俺の意思は、ふとした瞬間にいとも簡単に崩れてしまいそうになって、同時に俺の心を揺さ振るように掻き乱す。


今だって、傷付いた顔をしながら平静を装おうとする柚葉を前に、その体をこの腕の中に収めてしまいたくて堪らないんだ…。


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