群青の月
そんな冬夜の存在を、すごく億劫に感じてしまう。


理由は絶対に言いたくないのに、彼を見ていると本気であたしの事を心配しているんだって伝わって来る。


それをわかってしまう自分(アタシ)にも、あたしを見る度に不安そうにする冬夜にも、苛立ちが沸々(フツフツ)と募った。


それなのに…


冬夜があたしの事を本気で心配しているんだと気付いてからは、頻繁に体調が悪くなるあたしを看病してくれる彼に、つい理由を話してしまいそうになる時がある。


そして…


その度にまた、愚かな自分に大きな苛立ちを感じるんだ…。


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