群青の月
頑なに理由を隠すのは、その奥にある本当の“理由”を知られたくないからで。


そんな事を考えるのは、自分のプライドの高さのせいだって思う。


むしろ、そうだとしか思えない。


「どうした?」


その声にハッとすると、ボーッしていたあたしの顔を、冬夜が心配そうに覗き込んでいた。


「別に」


平静を装って答えたあたしは、仕方なく渡されたグラスに口を付ける。


だけど、麦茶には無いタバコの苦味が恋しくて…


やっぱり吸いたくなって箱に手を伸ばすと、冬夜がどこか困ったように笑った――…。


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