群青の月
つい漏らしてしまったため息には、気付かない振りをする。


シャワーを浴びたいのを我慢して着替えたせいなのか、体が気持ち悪くて仕方なかった。


マジでツイてない……


こんな状態で、バイトとか行きたくないんだけど……


それでもメイクをしようとポーチを開けた時、母が何かを思い出したように声を上げた。


「あっ!」


その後に続く言葉を聞きたくなくて、逃げるように洗面所に行こうと足を踏み出す。


だけど…


「ちょっと、どこ行くのよ」


不機嫌な声に、踏み出したその足を止めた。


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