群青の月
後はもう、冬夜にされるがままだった。


彼の姿を目の当たりにした事で気が抜けたのか、全身から一気に力が抜けて指一本動かす事も出来なかった。


視線も動かさないあたしは、まるで人形みたいだっただろう。


冬夜は何も訊かずに車で家に向かい、あたしをベッドに下ろして傷だらけの足の手当てまでしてくれた。


この辺りからの記憶は更に曖昧で、その後どうなったのかは全く覚えていない。


次に意識がハッキリとした時には、冬夜の腕の中にいた。


そして…


この時初めて、やっと心の底からホッとする事が出来たんだ――。


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