群青の月
実は、柚葉が口を効くようになった翌日から、俺は再び彼女に契約金の三万円を差し出すようになった。


だけど…


その時の柚葉は、ほんの一瞬だけ戸惑うような表情を見せた後、今みたいに断って来た。


そんな事は初めてで、俺の方が戸惑ってしまった。


最初はタイミングが悪かったのかとも思って、その翌日は慎重に話を切り出した。


それでもやっぱり柚葉は金を受け取らず、それどころかその頃から手伝いまでするようになった。


もしかしたら、柚葉なりに思う事があるのかもしれないけど…


そんな彼女に対して、戸惑ってばかりだった――…。


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