群青の月

◇Side‥柚葉


【Side‥柚葉】



暗い顔でアイスコーヒーを飲む冬夜は、さっきから一向にあたしの方を見ようとはしない。


こんな風に微妙な空気が流れるようになったのは、数日前から…。


あたしが話すようになった翌日、冬夜は契約金の三万円を渡そうとして来た。


もちろん、それは今までのあたし達ならごく普通の流れだし、別に不自然な事じゃない。


だけど…


あたしはどうしても受け取る気にはなれなくて、さっきみたいに断った。


そして、それからも毎日このやり取りを繰り返していて、その後には必ず微妙な空気が漂うようになった――…。


< 464 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop