群青の月
適当な理由を付けて電話を切ろうとすると、後日掛け直す約束をさせられてしまった。


今はとにかく柚葉を優先したくて、渋々承諾の返事をする。


すると、母はまだ不満そうにしながらも電話を切った。


やっと解放された事にホッとして、タバコを灰皿に押し付けながら大きなため息を零す。


火を消し終わるのと同時に、ソファーから立ち上がった。


気になったのは、柚葉がリビングを出る前に見せたあの表情…。


どこか泣きそうにも見えた彼女の顔に、何故か俺の心臓がドクンと跳ね上がった気がしたんだ…。


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