群青の月
どんな風に話を切り出そうかと考えながら、タバコに手を伸ばす。


いつも通りの手際で火を点けて一口目を吸った後、上がっていく紫煙を追うようにゆっくりと天井を仰いだ。


自分の気持ちを告げる事に不安を抱いていたのが嘘みたいに、意外とアッサリと告白してしまった。


告白するなんて初めての経験だったけど、まるで息をするのと同じように自然と言葉が出て来ていた。


それに…


今は自分でも信じられないくらい、心が穏やかだ。


そんな自分の状態を不思議に思いながらも、たった一つだけわかっている事があった。


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