群青の月

それは、自分の想いを柚葉に告げるキッカケになったのが、彼女の泣き顔だったって事…。


理性を切らしてしまう程に綺麗な涙が、柚葉を本気で守りたいと思う気持ちを益々強くさせた。


それでも不安はあったし、戸惑いも残っていた。


だけど…


苦しむ柚葉の心を、少しでも救いたいと思った。


その為には彼女の体だけじゃなく、心ごと抱き締める必要があるんじゃないかって考えた。


そして…


例え、この先の未来に待つ結末がどんなものであったとしても、今だけはその役目を担(ﾆﾅ)うのが自分(ｵﾚ)でありたいと思ったんだ――…。