群青の月
「……アンタはさ、あたしの何を知ってるの?」
「ん?」
「名前だって名字すら知らないし、携帯の番号とアドくらいでしょ」
俺が答える前に、柚葉の呆れ混じりの声で答えが零された。
「たったそれだけしか知らなくて、何で好きになれる訳?」
嫌悪感にも似た感情をあらわにした彼女が、射抜くような視線を向けて来た。
それは、出会った頃と同じ表情。
まるで全てのものを軽蔑しているような、冷たくて悲しい瞳。
だけど…
俺を蔑むように睨む瞳が微かに揺れていて、今にも泣き出してしまいそうに見えた。
「ん?」
「名前だって名字すら知らないし、携帯の番号とアドくらいでしょ」
俺が答える前に、柚葉の呆れ混じりの声で答えが零された。
「たったそれだけしか知らなくて、何で好きになれる訳?」
嫌悪感にも似た感情をあらわにした彼女が、射抜くような視線を向けて来た。
それは、出会った頃と同じ表情。
まるで全てのものを軽蔑しているような、冷たくて悲しい瞳。
だけど…
俺を蔑むように睨む瞳が微かに揺れていて、今にも泣き出してしまいそうに見えた。