群青の月
「柚葉、理屈なんかで考えなくていいんだ」


真っ直ぐな瞳に、切なげに聞こえる声に…。


ただ、涙が止まらなかった。


「お前の中に俺と同じ気持ちが欠片(カケラ)でもあるなら、迷わずにこの手を取ってくれ……」


差し出された手に縋り付く事が出来たら、どんなに救われるか…。


だけど…


残った理性が、やっぱりこの手を取ってはいけないと叫ぶ。


持ち上げ掛けた右手の力を抜いて、膝の上で拳を握ろうとした瞬間…


「嫌なら全力で抵抗しろ」


そんな言葉と同時に、右手を引っ張られた。


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