群青の月
柚葉の存在を確かめるように彼女を抱き締めていた俺は、完全に離れるタイミングを見失ってしまって…


しばらく経っても、その体勢のまま動けずにいた。


想いが通じた事に喜びを感じる反面、今までの俺達には無かった雰囲気に戸惑う。


柚葉もどうすればいいのかわからないのか、さっきから俺の腕の中でじっとしたままで…


俺達はまるで、恋愛初心者のようなぎこちなさを生み出していた。


ドギマギとしているのを気付かれないように、小さく深呼吸をする。


緊張を隠しながら柚葉から離れた後、控えめに口を開いた。


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