群青の月
「あたしは、縁なんて微塵も感じてない」


「俺は感じたよ」


「アンタ、マジでしつこいんだけど……。初対面の人間とご飯食べる理由なんて、あたしにはないんだってば!」


一歩も引かない俺に本気で苛立ったのか、柚葉が眉をしかめながら声を荒げた。


「じゃあ、理由があればいいんだな?」


「だから、ないっつーの!てか、あっても行かな……」


怒りを見せる柚葉は、きつい口調だったけど…


「自殺を止めてくれたお礼に、何でも奢る」


俺は彼女の言葉を遮って、ニッコリと笑みを浮かべた。


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