群青の月
あの暑い夏の日――。


「……離してよっ!!何なのっ!?」


「いいから大人しくしてろよ!」


「ちょっと遊ぶだけだって!」


二人の男に組み敷かれたあたしは、パニックになりながらも必死に抵抗した。


「うわっ……!」


「暴れるなって!」


手足をジタバタさせて全力で身を捩(ヨジ)ったけど、大人の男二人に力で敵うはずも無くて…


「お母さんっ……!」


恐怖の涙を浮かべながら、傍にいた母に助けを求めた。


だけど…


返って来たのは、悪魔の囁きにも思える台詞だった。


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