群青の月
息を小さく吐いた柚葉が、ゆっくりと続きを話し始める。


「そんな時……冬夜と、出会った……」


自分の名前が出て来た事に、心臓がドキッと跳ね上がった。


そこから嫌な緊張感が走る。


出会った頃の俺達は、お互いのメリットを見込んで契約を交わした。


それは充分理解しているし、俺もずっと柚葉を利用していたんだから、その事に関しては落ち込んだりしない。


だけど…


柚葉は、俺と出会ってからも『体を売った事がある』と言っていた。


その真実を聞かされるのは、やっぱり少しだけ恐かった。


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