群青の月
夜を、静寂な空間を、こんなにも恐いと思ったのは初めての事だった。


だけど…


柚葉は、俺よりももっと大きな不安や恐怖を抱いているはずだ。


不安定に揺れる彼女の瞳が、それを静かに物語っている。


そうなるのは、当たり前の事だ。


だって…


もし俺が柚葉の立場なら、不安が先立って話す事なんて到底出来ないと思うから…。


だからこそ、自分の意志でこうする事を決めた彼女の全てを、俺は受け入れたいと思う。


これから明かされる話の続きが、例えどんなに酷い内容であったとしても…。


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