群青の月
「すごく恐くて……。どうしたらいいのかわからなくて……」


そこまで話した後、心を落ち着かせる為にゆっくりと息を吐いた。


これから先の事は、ちゃんと冬夜の顔を見ながら話さなければいけないと思う。


だから…


「そんな時、冬夜の顔が浮かんだ……」


あたしは目を開けてからゆっくりと顔を上げ、隣にいる冬夜を真っ直ぐ見つめた。


すると目が合った彼は、痛々しいくらいに傷付いた表情をしていて…


それに驚いて思わず次の言葉を飲み込んでしまった瞬間、あたしの体が優しい温もりに包み込まれた。


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