群青の月

◆Side‥冬夜


【Side‥冬夜】



11月に入ると急激に冷え込み、冬の気配を間近に感じるようになった。


「どこか行かないか?」


「え?」


「ほら、俺達ってあんまり出掛けたりしないだろ?だから、明日はどこか行かないかなって思ってさ」


ベッドの中で提案すると、柚葉が不思議そうな顔をした。


短期契約だった塾の講師のバイトは先週で終わり、今週は少しだけ余裕がある。


考えてみたら、柚葉とはデートらしいデートをした事が無い事に気付いて…


せっかく余裕があるんだから、たまにはそんな時間を作ろうって思ったんだ。


< 726 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop