群青の月
少し離れた所に見える人影の一つが柚葉だって事は、すぐに気付いた。


そして…


そのもう一つが、畑野だって事も…。


彼とレンタルショップで会ったのは、まだ数日前の事…。


その時に芽生えた苛立ちは日に日に重量感を増し、今も俺の中で渦巻いている。


その負の感情のせいで、口を開けば柚葉に八つ当たりをしてしまいそうだったから、最近はあまり話さないようにしていた。


そんな俺の事を彼女が心配してくれている事は気付いていたから、今日こそはちゃんと気持ちを切り替えるつもりだった。


だけど…


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