群青の月
「体、冷えたよな……。すぐに風呂沸かすから」


冬夜は心配そうな表情をしたまま、覚束ない足取りのあたしを支えて廊下を歩く。


あたしには優しい言葉を掛けて貰う資格なんて、ちっとも無い。


それなのに…


冬夜があたしの心と体を労ろうとしてくれている事が、すごく苦しくて堪らなかった。


いつから話を聞かれていたのかなんて、わからない。


だけど…


畑野が最後に吐いたあの言葉は、あたしと彼の関係の全てを語っていた。


だからきっと、冬夜はもう何もかも理解しているに違いない。


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