群青の月
単純に、すごく悔しかった。


ただそれだけを、今でも鮮明に覚えている。


今見るとあまりにも無謀な内容だって事はわかるけど、あの頃の自分(オレ)にとっては自信のあるものだったから…。


それをキッカケに兄貴に対する憧れが、少しずつ歪んでいったのかもしれない。


俺が就職活動を始めた頃には会社が軌道に乗り、仕事を手伝う必要も無くなった事で、兄貴と距離を置くようになった。


そして、俺はあの時に感じた悔しさをバネに、必死に就職活動をして…


兄貴の会社よりも大きな会社に就職する事で、兄貴を見返してやろうとしたんだ――。


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