群青の月
「本当は、お前が大学を卒業したらうちで働いて欲しかったんだけどな。お前の気持ちもわからねぇ訳じゃねぇし、あの時は言えなかった」


いつになく重い口調だった兄貴が、フッと笑った。


「俺は綺麗事は嫌いだし、別に無理にとは言わねぇ。やる気のない奴はいらねぇし、見込みのない奴も必要ないからな。でも……」


真っ直ぐな瞳が、柔らかく緩められる。


「やる気があるなら、特別大サービスで1ヶ月待ってやる。今のお前の全てを注いで、それよりもっといいものを持って来い」


どこか誇らしげな声が響いた時、俺の中で何かが動き出した気がした――…。


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