群青の月
ドクンッと、心臓が大きく跳ね上がるのがわかった。


不安のせいなのか、緊張のせいなのか…


途端にバクバクと脈打ち始めた心臓に戸惑って、大きく深呼吸をする。


俺は物音を立てないように足を踏み出し、息を潜めながら一階の廊下を進んだ。


部屋の番号を、一軒ずつ確認していく。


程なくして一番奥の部屋の前に辿り着き、その部屋の番号とメモを何度も交互に見た。


「見付けた……」


思わず、安堵を含んだため息が漏れる。


このドアの向こうに柚葉がいると思うと、もう居ても立ってもいられなかった。


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