群青の月
インターホンを押そうと手を伸ばし、すぐにハッとした。


夜中の1時を過ぎている今、部屋の中は真っ暗で…


外から見る限り、起きている気配は全く無い。


今すぐに柚葉に会いたいと思う気持ちと、さすがにこの時間にインターホンを押す事に戸惑う気持ち…。


しばらくの間、その二つの感情が俺の中で葛藤を繰り返した。


そして…


「あ〜、もうっ……!」


もどかしさを感じながらも、結局は逸る気持ちを抑えて手を引っ込めた。


俺は惜しみながらその場を離れ、重い足取りで今歩いて来たばかりの道を戻った。


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