群青の月
一先ず助手席に子犬を乗せ、自分だけコンビニに入って買い物をしてからまた車に戻った。


サンドイッチをかじる俺を、子犬がじっと見つめて来る。


「お前はダメ、まだ子供なんだから。それに、柚葉に飯食わせて貰ってるんだろ?」


ケースに入っていたペットフードを思い出し、窘めるように告げたけど…


「クゥ〜……」


ねだるような瞳で見つめられて、思わず苦笑してしまった。


「お前、オスのくせに甘え上手だな。でも、お前はこれは食えねぇよ」


程なくして、子犬は諦めたようにブランケットの中に潜った。


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