群青の月
柚葉がいつ戻って来るかわからなかったから、1時間毎に子犬と一緒にアパートに足を運んだ。


だけど…


結局、夕方になっても彼女が帰宅した気配が無くて、ひたすらコンビニの駐車場で待ち続けた。


長時間そこで過ごしているせいで、さすがに店員に目を付けられてしまったみたいだけど…


今の自分(オレ)には、そんな事に構う余裕は無い。


そして、すっかり日が暮れた頃にアパートに足を運ぶと、やっと柚葉の部屋に電気が点いていた。


柚葉……


散々焦(ジ)らされていた俺は、溢れ出す気持ちを抑えるように深呼吸をした。


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