群青の月
「……ちょっとは学習してよ」


ため息混じりにトーフを空に向かって抱き上げると、左手の薬指に収まっているシルバーリングに太陽の光が反射した。


先週誕生日を迎えたあたしに、冬夜が贈ってくれた物。


その中心では、ピアスとお揃いの赤い小さな宝石が存在を主張している。


こんなあからさまなリングなんてガラじゃないけど、プレゼントしてくれた時はすごく嬉しかった。


「アンッ!」


「わかってないのに返事したでしょ……」


あたしはトーフを地面に下ろしてリードを持ち、買い物袋を片手に歩き始めた。


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