群青の月
ベッドルームに戻ると、柚葉はスヤスヤと眠っていた。


「クゥ〜ン……」


ベッドに下ろしたトーフが、彼女の頬をペロペロと舐める。


「大丈夫だよ、寝てるだけだから」


俺がそう言っても、トーフはどこか心配そうな顔をしているように見えたけど…


そのうち安心したのか、柚葉の隣で丸まった。


「ほらな……。お前はまた、柚葉の隣を陣取るだろ」


眉をしかめた俺に、トーフは垂らしていた耳をピクリと動かしただけで、素知らぬ顔をしている。


俺は仕方なく、トーフを挟んで柚葉をそっと抱き締めた――…。


< 983 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop