群青の月

◇Side‥柚葉


【Side‥柚葉】



まだ夜の気配が少しだけ残った早朝、トーフを抱いて助手席に乗り込んだ。


運転席には、もちろん冬夜がいる。


数日前に旅行でもと提案してくれた彼に、あたしはそれよりも行きたい所を告げた。


すると、冬夜はいつかと同じように眉を小さく寄せて笑っていたけど…


ゴールデンウィーク初日の今日、あたしがリクエストした場所に連れて行ってくれる事になった。


トーフはまだ眠いのか、あたしの膝の上で丸まって気持ち良さそうに眠っている。


今日は気温が高いから、お気に入りのブランケットは必要無いみたい――…。


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