あなたと私
―酷いのはどっち?―
……っやめて!
もうやめて!
けど声は止まない。
私を蝕むようにどんどん大きくなっていく。
―あなたはただ見ることしかできなかった―
しょうがなかったんじゃない!
―親友が死んだことをなかったことにして、忘れようとしてたのはあなたでしょ?―
ごめんなさい!
私は……私は……!
―認めたくなかった。信じたくなかった。だから全部私に押し付けた。……もう消えて?―
消える?
何?
やめて!
―疲れたの……私はもう嫌……―
真子?
……違う。
あなたは誰?
―早く私にかえして―
かえすって……え?
なんで?
体の自由が利かなくなる。
意に添わない方向に歩きだす体。
ちょっと、どこ行くの私!?
やめて……!
やめて……やめ……!