溺愛中なんです。
そんな、女みたいなことを
思うくらいに雪姫が好きになっていた。
─お昼
雪姫のところには行けない。
俺ってば、つくづくしつこい男だ。
「雪姫ちゃんとこ行けよ」
「……行けねーよ」
「素直じゃねぇなぁ」
遊星は俺の好きな
売店の焼き肉おにぎりを食べていた。
いつもの俺なら「くれよ!」とか
言ってたんだろうけど、
今はそんな元気、どこにもない。
「あれ?雪姫ちゃんいねーじゃん」
そんな泰地の声に俺は
勢いよく雪姫の席に目をやった。
「…マジだ」
すると、高田が俺達のところに
慌てた様子で走って来た。
「雪姫が!」
「雪姫ちゃん何かあったの?」
「…佐藤先輩に呼び出された」
「はっ!?」
俺は思わず大声を出した。