13回目の好き
三浦先生:「…そういうのはよしてくれと、言わなかったか?…それとも言ったのは君じゃなかったか…?」
またズキンと音を立てる。
私が、言ったんだよ。先生。
あの時の私の告白、覚えていなかったんですか…
何で私は、自分の気持ちばっかり先走って言っちゃうのかな。
本当は、恋愛攻略本みたいに、上手くやりたいよ。
だけど、できない。
自分のことばっかりで、好きだって伝えたら、三浦先生がどう言うかなんて分かってたはずなのに。
三浦先生がどういう顔をするか、どんな目で私を見るかなんて
分かってたはずなのに…。
先生の目に映ってもいないことも
私は、三浦先生の知る大勢の生徒の中のひとりに過ぎない……。
「だって!!私、三浦先生が好きなんです!!ただ…本当にそれだけです!!」
気付けば、そう言って
バンッとドアを開けて、部屋を飛び出していた。
また、好きって言っちゃった。
もう、自分が嫌だ。嫌……
何で上手くできないの。
こんなんじゃ、三浦先生も嫌になるよ…―。