13回目の好き


「…三浦先生、約束ですよ?」

準備室を出ようとドアノブに手をかけて、三浦先生の方を振り返ってそう言うと、

三浦先生:「…ん?」

案の定、私の"約束"の言葉が分からずポカンとした表情が返ってきた。


「2週間後の期末テストが終わったら…」


嫌な思い出しかないなら…
今年の夏は、三浦先生に喜んでもらえるような良い思い出を作ってあげたい!

これが…高木先生の言う、変化球なんでしょ?



「…私に御褒美を下さい!」


三浦先生:「ん!?それはどういう…」


驚いた三浦先生の質問を遮り、私は続けて話し出す。


「だから、…テスト、何点撮ったら私に御褒美くれますか!?」


三浦先生:「んん!!?………ええっと…、80点はほしいが…。御褒美って、何を…?」


困りながら、答える三浦先生も何だか面白くなってきて、クスッと思わず笑ってしまう。


「分かりました!じゃあ90点取ったら、私の言うことひとつ聞いて下さいね!では、さよならです!」


そう言って三浦先生が何か言う前に部屋を出て、玄関まで走り出した。


ちょっと強引だったかな?フフッと笑みをこぼしながら心の中は何だかワクワクしていた。

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