13回目の好き

教育実習生




吉崎奈緒Side




はぁ…緊張する…!



懐かしい教室が並ぶ母校の廊下を歩く。



明日から始まる母校での教育実習に備えて、下見に来た私。



恭先生、いるかな?




三浦先生:「…―っ吉崎…。」




懐かしいその声に、前を向くと、懐かしい三浦先生の姿。




「あ!三浦先生!!お久しぶりです!」


三浦先生:「…あ、ああ…。何故ここに?実習は明日からでは?」



「そう、なんですけど…、不安で下見に…。」



三浦先生:「相変わらずですね、吉崎は…。」


あははっと苦笑しながら、三浦先生の隣にいた女子生徒に気付く。


慌てて、微笑むと少し曇った表情で微笑み返すその子。


相談中だったのかな?
邪魔しちゃったかな?



「あ、えっと…恭先生は職員室ですか?」



三浦先生:「…数学準備室で仕事中かな。」



「あ、ありがとうございます!じゃ、ちょっと行ってきます!」



思わず笑顔を零して、恭先生の元へ歩き出した。




三浦先生は、私が高校時代の時の化学の先生。


恭先生と仲良し。たぶん…




それより、恭先生に内緒で来ちゃったけど驚くかな?





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