イジワル王太子と政略結婚!?
『お前の方こそ、俺のこと何もわかってねぇよ』


…どういうこと?

わかってないって…私が悪いの?


はっきり言ってくれなくちゃ全然わからないよ!



シーナは私にハンカチを手渡して立ち上がる。


「シーナ…?」

『…ちょっと頭冷やしてくる』


小屋を出ていこうとするシーナは、ドアノブに手をかける。


『…すぐそこにいるから、何かあったら呼んで』


と、私を見ずに言うと外へ出ていった。




一人きりになった部屋は、静かで、ガランとして寂しかった。


涙を拭うために渡してくれたのに、ハンカチを見るとまた泣けてくる。

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