イジワル王太子と政略結婚!?
シーナは覚えてないかもね。

もう8年も前のことだし…


「その時に、私を助けたのは全部自分の為だって…

私がいなかったら結婚もできないし、国王にもなれないからって言ってたじゃない!」


『なんだ…そんなこと気にしてたの?』



“そんなこと”って…

あの時、私がどれだけ悲しかったか……



「シーナは私の気持ち…全然わかってない!」

『わかってないのはお前の方だ』



──え?


思いがけない言葉に、私は黙り込んだ。



『13年も一緒にいたのに、お前は俺の何を見てきたんだよ?』


顔を上げると、怒ってるような、悲しむような表情のシーナがいた。

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